子供たちが巣立ち、夫婦2人の暮しに戻った。
部屋数も必要無くなった。
小さな家に引っ越して、
効率がいいコンパクトな暮らしがしたい。
けど、築30年以上の、このマンション!
売れるのだろうか?
そんな疑問を解消します。
築30年のマンションの売却は可能
- 築30年の資産価値
0なんてことは無い - 築30年でも、高値で売れるマンションの条件
立地が良くて管理が行き届いていれば問題ない
そうで無くても売ることは可能 - 築30年以上のメリット
対応年数はまだまだ十分なのに
売れやすい価格設定
こんな内容を知ってスッキリしよう。
古いマンションでも、高値で売却する方法はあります。
築30年の資産価値、高値で売れるマンションの条件
築30年マンションの資産価値は、築5年以下の38%
- 築5年以下の中古マンションを100%とすると、築年数毎の値落ち率は
築年数 | 値落ち率 |
~築5年 | 100% |
築6~10年 | 87% |
築11~15年 | 74% |
築16~20年 | 65% |
築21~25年 | 51% |
築26~30年 | 36% |
築31年~ | 38% |
築30年以上の値落ち率平均は、38%です。
どんなマンションでも築30年経って、38%以上の高値で売却できるわけではありません。
平均より資産価値があるか、安価でしか売れないかの違いは、3つの理由です
- 適切に管理されているか
- 立地条件が良いか
- 仲介業者の営業力
1.適切に管理されているか
適切な時期(12年周期前後)に大規模修繕工事が行われているか?
マンションの外観・設備が古いなりに大切にされていれば、高値を付けます。
最近のマンションにないアンティークなたたずまいで、プレミアがつくことさえある。
駐輪場の状態、共用廊下の状態、共用玄関の整理整頓、清掃が行き届いているマンションであれば住人の質も高いと考えられるので、多少古くても安心して購入できる。
2.立地条件が良いか
駅の周辺から開発が進むので、駅から徒歩圏の利便性の良い立地に、古いマンションがありがち。
商店街、金融機関などの生活施設にも近いと、車に頼らなくても暮らしやすい。
そんな、立地条件の良いマンションは、多少古くても安心して購入できる。
3.仲介業者の営業力
しかしながら、一般的には築10年以内の新しい物件が好まれます。
そんな築浅なマンションならば、売り出した後の反応もいいに違いない。仲介会社の営業力に頼らなくて、物件の魅力で買手が見つかりやすい。
しかし、築30年のマンションはそうはいかない。
築30年のマンションは、仲介会社の営業力が頼みの部分も多い
力のない仲介会社を、査定価格の高さに釣られて選んでしまうと最悪です。
放置され、内覧者も現れない状態が続く。
値下げしましょう!
こんな提案をしてきて、価格に頼った売り方をしがちです。
地域の中古マンション供給状況に精通したやる気のある仲介会社を選び、専任契約を結ぶことで他の会社に横取りされることのない環境を作ろう。
広告を打ちやすくなるし、担当者のやる気も出ます。
できる仲介会社と出会うためには、実際にいろんな担当者と会って、人となりを見比べるしかない。
知り合うきっかけには、一括査定サイトが便利です。
いちいちアポを取らなくても、知り合える。
築30年以上の中古マンションの売買状況
2019年に首都圏で売買成約した
中古マンションを築年数で見ると、
築31年以上のマンション売買が、25%以上
築30年以上のマンションが、一番売れてます
築年数 | 割合(%) |
~築5年 | 9.1 |
築6~10年 | 14.1 |
築11~15年 | 17.5 |
築16~20年 | 14.3 |
築21~25年 | 10.6 |
築26~30年 | 7.7 |
築31年~ | 26.6 |
※公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)データを引用
この傾向は年々、増え続けてます。
10年前は、築31年以上の成約は15%でした。
この10年で10%も増えている。
なぜ、これほど増え続けてるのでしょうか?
築30年以上の中古マンションのメリット
メリットは、3つあります。
- マンションの耐用年数は、まだ十分にある
- 購入し易い価格帯である
- 税金が、安い
1.マンションの耐用年数は30年以上
鉄筋コンクリートのマンションは、
何年くらい住めるのか?
管理状態にもよるけれど、50~60年は問題ない
築30年のマンションの需要はある
減価償却の年数
減価償却としてのマンションの法定耐用年数
⇒ 47年です。
ちなみに、木骨モルタル住宅は20年
れんが住宅は38年です。
※国税庁 『主な減価償却資産の耐用年数(建物/建物附属設備)』を引用
マンションは、47年で減価償却します。
けれどあくまで税制上の期間。
47年で住めなくなるわけでは無い。
物理的な耐用年数
適切に大規模修繕を行っていれば、
築50~60年までは問題ない
国土交通省により平成29年に実施された『マンション大規模修繕工事に関する実態調査』によると
大規模修繕工事は、以下の間隔で実施されてます。
- 1回目は築13~16年前後
- 2回目は築26~33年前後
- 3回目以上は築37~45年前後
13~15年周期ですので、
4回目の大規模修繕は築50~60年目になる。
この辺りまでは、耐用可能なのは見えてます。
その先については、
日本での実績が無いので未知数です。
しかし、鉄筋コンクリート自体は100年耐用可能といわれてます。
また、建設技法の向上により、マンション性能も日進月歩で向上してます。設備の方が先に寿命となるけれど、大規模修繕により手を入れれば、それも引き延ばせます。
大規模修繕費用と建て替え費用の天秤が
どこで引っ繰り返るかの
結論はこれからです
言えるのは、大規模修繕を行なってないマンションの寿命は短いということ。
2.購入し易い価格帯である
2008年のリーマンショック以降、
マンションの高騰は続いてます。
一方、実体経済の景気は停滞しており、
賃金上昇が物価上昇に追い付く気配はありません。
高騰したマンションを買える層は、限られます
築年数には目をつむり、リフォームでコスパを求める層も多い
マンション高騰により
- 新築から、築浅中古マンションへ
- 築浅通子マンションから、築30年に
需要がシフトしています。
購入し易い中古マンションを求める層が25%を超えてるのが、実体です。
3.税金が、安い
マンションの固定資産税は、2つに分かれます。
- 土地に対する課税
- 建物に対する課税
土地は減価償却しません。
だから年数が経っても課税額は変わりません。
しかし、建物は減価償却するので、年々安くなります。
鉄筋コンクリートマンションの減価償却は47年です。
※ 法務局『東京法務局管内新築建物課税標準価格認定基準表』を引用
経過年数 | 経年限定補正率 |
10年 | 74% |
20年 | 50% |
30年 | 30% |
45年 | 20% |
築30年で、建物に対する課税は50%になる。
税負担が軽くて済みます。
築30年マンションの資産価値はいくら? まとめ
築30年マンションの資産価値は、
平均で築5年以下の38%です。
しかし、売却価格には大きな幅があります。
- 30年間の修繕管理状況
- 立地条件
- 仲介会社の販売力
今、あなたに出来ることは、販売力のある仲介会社に依頼すること。
築浅マンションのように、
物件の魅力だけで押し切るのは難しい。
買主に訴求する販売力が必要です。
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