マンションの売却において、売り出し価格を間違えて無ければ、
売り出した途端に買手が決まることはまず無い。
興味を持った人が現れても、売り出し価格そのままで売買がまとまることはまずありません。
値引き交渉が始まります。
いくらまでなら、下げられますか?
○○円で、どうでしょう?
こんな申し出に慌てないように準備しておこう。
- 決めるのはあなた、仲介会社に頼らない
- 真意の見極め
- 値引きを見込んだ売り出し価格
- 限界価格の設定
- 値引く替わりの条件交渉
こんな内容を知ってスッキリしよう。
高く売りたい売主と、安く買いたい買主の、
落としどころを探る方法を知っていれば、悩む必要は無い。
マンション売却の2つの特殊性
マンション売却は、普通の商取引とは違い特殊な取引です。
まずは、2つの特殊性を知っておこう。
- 一期一会
- 仲介会社を信じ切れない
1.一期一会の取引きなこと
マンション売却が他の売買交渉と違うのは、次回の取引を考慮しなくて良いことです。
例えば、
解りました
今回は、その値段でお売りします
その代り、長いお付き合いをお願いします
こんなことは、あり得ない。
あなたが、来月もマンションを売ることは無い。
一期一会です。
余程、世間知らずなカモネギが現れない限り、
あなたが相場より高くマンションを売ろうと思っても、ムダです
逆に、相場より安く売ってあげる必要も無い
そして、そんなカモネギと出会えるほどに、幸運を持っていると思うなら、
相場より高額な売り出し価格を、いつまでも掲げていればいい。
2.仲介会社を信じ切れない
仲介会社は、親切心であなたの手伝いをしている訳ではありません。
売買契約成立による、成功報酬のために働いてます。
成功報酬は『仲介手数料の3%』。
売却金額に比例するので、高く売った方が仲介会社の実入りも大きい。
けれど、
仲介会社は、最大限高く売る努力をするかと言えば
そうでも無い
例えば、買主の値引き交渉によって、5%売り出し価格を下げたとしても
(100-5)×3% = 2.85%
0.15%し仲介料は減りません。
3千万円のマンションだとすれば、90万円が85.5万円になるだけ。
買い手が自社で見つかって、両手取引の場合は余計、話をまとめたい。
売主に値下げさせて、
早く売買をまとめ、
次の物件を手掛けた方が効率が良い
依頼主のあなたのために働いているか、疑問です。
売り手・買い手の間に立って、公平に双方の利益の最大化を計っているか?
安易に落としどころを作ろうとしているだけかもしれません。
売主は、あなた
- 売主は、高く売りたい
- 買主は、安く売りたい
相反する利益の落としどころを作るのが、仲介会社のはずです
けれど、安ければ売れる
売らないと手数料が貰えない
だから、安売りに走りがちです
買主の味方になりがちで、安易な落としどころを作りがちです
売手のあなたは売る気満々だけど、買い手はそれほどでもない
ならば、買い手の有利に動きがちです。
仲介会社は、プロだから
任せておけば安心だ!
もし、こんな幻想を描いているとしたら、あなたがカモネギ認定されるに違いない。
あなたのマンションです。
本当に高く売りたいと考えてるのは、あなただけ。
値引き要求に負けない交渉術4選!【失敗しない売却方法のまとめ】
相場より高く売ろうと思ってもムダです
理由なく、相場より安くしない努力をすればいいだけ
4つの交渉術を知って、予め準備しておこう。
- 真意の見極め
- 値引きを見込んだ売り出し価格
- 限界価格の設定
- 値引く代わりの条件交渉
売主と買主の利益が相反するのは仕方ない。
値引きを拒絶するのは簡単だけど、落としどころを探る努力も必要です。
落としどころは、適正価格。
適正価格は相場価格が指標です。
早く売りたいとかの理由がなければ、適正価格より安くする必要は無い。
1.真意の見極め
- ダメ元で言っているだけなのか
- 値引かないと、買わないのか
この見極めは難しい。
買う意志の確認は、簡単です。
値引いたら、
売買契約書にサインして貰えますか?
と聞くだけでいい。
一度断ってみる
値引かないと買わないかの見極めのため、一度断ってみる手は有ります。
しかし、そのまま話が流れてしまう可能性もある。
落としどころを探る
話が流れてしまうのを恐れるのであれば、
例えば、『200万円の値引きは無理だけど、端数の80万なら』、とか。
歩み寄ってみるのも方法の1つです。
2.値引きを見込んだ売り出し価格
値引き要求分を、あらかじめ売り出し価格に乗せて置くやり方です。
例えば、3,000万円を3,180万円にして売り出す。
180万円は、値切られても良い、という考え方。
しかし、やり過ぎると、割高にみられて候補に入らなくなる可能性もある。
また、買手もこのことを承知していて、180万円を値引きのスタートラインにされてしまうことも有る。
相場価格との兼ね合いもあり、売り出し価格の設定は難しい。
- 適正価格で売り出す
- 値引き済み価格で、割安感で売り出す
- 値引き分を見込んだ価格で、高めに売り出す
決めるのは、あなたです。
高く売りたいのは当然だけど、買う人の気持ちにもなって考えよう。
3.限界価格の設定
値引きにどこまでなら応じるかのデッドラインを決めておきます。
- ローンの残債が清算できる金額
- 次の家の頭金になる金額
- 手元に残したい金額
売り急ぐのか、じっくり売るのかによっても、限界価格は変わってくる。
もちろん、本当の限界価格を仲介担当者に言うか否かは、別物です
簡単に、そこまで値引きしようと提案してくる担当者もいる
4.値引く代わりの条件交渉
値引きに応じる代わりに、こちらの要求を呑んでもらえないかという、取引き。
- 明け渡しは、次の家が住めるようになるxx日以降
- 契約不適合責任の期間を短く変える など
損得が解り難い部分も有るので、条件を提示する前によく検討した方がいい。
仲介会社の決め方
なかなか売れませんね!
思い切って、売り出し価格を下げましょう!
本当に、
仲介手数料に見合った営業努力をした結果でしょうか?
決して安くはない仲介手数料。
けれど、それに見合った仕事をしてくれるのであれば、何の問題も無い。
けれど、そうでないなら、仲介会社を選んだあなたの負けです。
どうやって仲介会社を決めましたか?
- 大手だからですか
大手でも、結局は担当者の力量です - 査定価格が高かったからですか
顧客を呼び込む手法です - 仲介手数料無料だからですか?
ボランティアでは無いので何処かに織り込まれてます
仲介は、組織力よりも個人の力量の部分が大きい。
信頼関係を築けるか?
売主・買主の相反する利害をまとめる力は、団体戦でなく個人戦です。
そんな人と巡り合えたら、マンション売却は旨く行くに違いない。
数を当たるしかない
そんな仲介をしてくれる人を見つけるには、数を当たるしかない。
本当は、信頼できる口コミが一番だけれど、玉石混合で怪しすぎる。
実際にいろんな人に逢って話してみるのがいい。
実際に話してみないと、人は解りません。
出会うきっかけとしては、一括査定サイトが使えます。
3分程度の入力で、多くの仲介会社の情報が得られます。
比べるのは、査定価格では無く査定理由
査定価格で釣るのは典型的な手法です
一括査定をそのまま信じるわけにはいかないけれど、
仲介会社と知り合うきっかけには使える。
実際に逢ってみて、担当者の人となりを見るきっかけには使えます。
値引き要求に負けない交渉術4選 まとめ
仲介会社は、あなたの依頼で動いているけれど、
あなたの利益の最大化を目指してますか?
売れなければ話にならない、という詭弁を使う仲介会社も居るけれど
仲介会社は、アドバイスをするけれど、
値引きする・しないは、あなたしか決められない。
あなたのマンションだから、当然のこと。
仲介会社はメッセンジャー、あなたの考えを交渉相手に伝えてくれればそれでいい。
それくらいの覚悟と気概で臨もう。
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