春闘2017の日程や標語。ベアってどういう意味?

春闘2017の日程や標語。ベアってどういう意味?

毎年、2月頃になると新聞やテレビのニュースで“春闘”が本格的にスタートした、と話題になります。春闘とは、雇用されている側が賃金や労働時間などの労使条件の改善を企業側に要求するものです。
今回は2017年の春闘の日程や標語、そしてニュースなどでも度々耳にする「ベア」という言葉の意味についてご紹介します。

関連記事:春闘2017の日程 電機連合への要求内容

関連記事:春闘2017 自動車業界の日程はいつ?要求内容は?

関連記事:春闘とメーデーの違い。メーデーってどういう意味?

【スポンサードリンク】

2017年、春闘の日程

賃金の引き上げや労働時間の短縮の他、さまざまな労使条件の改善を雇用者が企業(経営者)に働きかけるのが春闘です。しかし、それぞれの労働組合が個別に会社と交渉するとどうしても組合側の力は弱くなります。このため、春闘は同じ産業の組合同士が結束し、連携して交渉を行います。違う産業の労働組合間のスケジュールの調整は、連合(日本労働組合総合連合会)が行います。

春闘までの日程は、多くの企業が新年度を迎える4月に向けて、

①2月初旬に労働組合側の代表である連合と企業側の代表である経団連(日本経済団体連合会)が会談して本格的にスタート
②次に自動車、電機、鉄鋼などの大手製造業が交渉をはじめ、その年の労働条件の方向性が決定
③続いて鉄道や電力会社など非製造業が交渉開始

これら大手企業の労働組合は2月中に要求を提出し、企業側は3月中旬に集中回答して年度内に妥結を目指します。
中でもヤマ場とされているのが、製造業の大手各社の「集中回答日」です。この回答がその年の春闘の相場となり、中小企業の判断に影響を与えることになります。
中小企業は3月中に交渉を行います。また、意外ですが公務員も春闘を行います。

2017年の春闘の日程は以下のようになっています。

2017年2月2日(木)  連合と経団連の労使トップが会談
2017年2月中     大手企業の労働組合による要求の提出
2017年3月15日(水)  集中回答日 予定

【スポンサードリンク】

2017年、春闘の標語

春闘では、それぞれの労働組合で標語やスローガンが毎年作られています。これらを見ると、その年に要求したいこと、改善を求めたいことなどがわかるものがあります。

2017年の連合のスローガンは下のように発表されています。

「『底上げ・底支え』『格差是正』でクラシノソコアゲを実現しよう!長時間労働撲滅でハッピーライフの実現を!」

それぞれの労働組合では、組合員を対象に春闘のスローガンを募集しているところもあるようです。その中から2016年のスローガンを2つご紹介します。

(JR九州労働組合)
『笑顔あふれる暮らしを目指し 心ひとつに闘おう 2016春闘勝利』

(全国個通運輸労働組合総合連合)
『強い絆と強い意志 労使で築け 我らの未来』

ところで、ベアってどういう意味?

春闘では、労働時間の短縮や育児・介護をしながらでも働きやすい仕組み作りなど様々な労使条件の改善を行いますが、その中でも最も注目されるものが賃金に関するものです。よくニュースなどで春闘の争点が“ベア”と言っていますが、この“ベア”は“ベースアップ”を略です。

日本の多くの企業の基本給は年齢や勤続年数に応じて上がっていく年功序列の要素のある定期昇給です。この定期昇給は1年経つと自動的に基本給が上がるので、個人としては「給料が増えた」ことになりますが、企業側としては毎年退職者がいるので全体の支払額は変わりません。

ところが、“ベア”はそれにプラスして上がる基本給の底上げです。企業側はベアに応じると、基本給が上がるだけでなく、それを基に計算するボーナスや退職金の引き上げにもつながり負担が大きくなります。

そこで、企業側はベアではなく、年収ベースでの賃金の引き上げの提案などを行います。これは、業績が下がればボーナスも下がるのでベアに比べると負担が少なくすむという利点があります。

毎年春闘でベアが争点になるのは、基本給の底上げにより確実に給料を増やしたい労働組合と、負担に慎重になる企業側の攻防があるからです。

ところで、以前に比べると働き方が多様化した結果、非正規社員増え正社員が減ったところも多いようです。特に製造業などの労働組合の人数が減少しています。

基本的に労働組合は正社員しか入れないものなので、春闘は非正規社員には関係なさそうです。しかし、この春闘で決まる賃金の方向性が非正規社員の賃金の基準にも影響を与えるので、春闘の動向には働いている人の多くが注目します。

まとめ

春闘は毎年2月、自動車などの大手製造企業の労働組合が企業側に労使条件の改善を要求して本格的にスタートします。3月中旬に 『集中回答日』が予定されており、大手製造企業からの回答が春闘の相場となります。
年収ベースでの賃金引上げにしたい企業側と、基本給を一律に引き上げる求める労働組合側でベアの実施の有無が争点となるようです。

以上、「春闘2017の日程や標語。ベアってどういう意味?」でした。

関連記事:春闘2017の日程 電機連合への要求内容

関連記事:春闘2017 自動車業界の日程はいつ?要求内容は?

関連記事:春闘とメーデーの違い。メーデーってどういう意味?

コメント一覧

  • Comments ( 0 )
  • Trackbacks ( 1 )

コメントはまだありません。

  1. […] 関連記事:春闘(メーデー)2017の日程や標語。ベアってどういう意味? […]