国際女性デーとは?ロシアやイタリアの歴史や2017年日本(東京、札幌)のイベント情報

男女平等や女性の社会進出など、近年では欧米はもちろん日本でも「アベノミクス」の3本の矢に入るなど、かなり推進するようになってきました。これに関連した記念日があるのをご存知ですか?毎年3月8日は『国際女性デー』という世界的に認められていた女性の日なのです。
今回は国際女性デーとは何か、その背景にあるロシアやイタリアの歴史、また関連するイベントが2017年に日本の東京や札幌でも開催される予定なのでご紹介します。
【スポンサードリンク】
国際女性デーとは?由来や起源
国際女性デーは毎年3月8日に行われる記念日の一つで、国連が1975年(国際婦人年)に定めました。この日は毎年テーマが掲げられ、女性が政治・社会において平等に参加をできるように加盟国に対して呼びかける日となっています。
2016年のテーマは『2030年までにプラネット50-50を実現:ジェンダー平等を加速させよう』でした。
もとはアメリカの女性労働たちが婦人参政権を要求したデモを1904年3月8日にニューヨーク(アメリカ)で起こし、これを受けたドイツ人で社会主義者のクララ・ツェトキンが“女性の政治的自由と平等のために闘う”記念日とするようコペンハーゲン(デンマーク)で行われた国際社会主義者会議で提唱したことに始まります。
現在当たり前になっている女性の参政権ですが、20世紀初頭の欧米においてもほとんどの女性にはありませんでした。1869年アメリカ合衆国ワイオミング州で選挙権のみ実現していましたが、全州で女性が参政権を獲得したのは1920年になってからです。欧米では多くの国が20世紀前半に国政選挙における女性参政権を認めました。
日本では大正時代の1925年に男性のみの参政権が認められましたが、女性にはありませんでした。女性の参政権を求める運動は大正デモクラシーなどを経て、新婦人協会や日本婦人参政権協会が婦人参政権運動を展開しました。しかし簡単には参政権獲得はならず、第2次世界大戦後の1945年12月17日の改正衆議院議員選挙法公布により、ようやく女性の国政参加が認められました。
【スポンサードリンク】
国際女性デー最大の歴史
『国際女性デー』の歴史上、最大の事件は第一次世界大戦中の1917年に帝政ロシアで起こった「二月革命」といわれています。
当時のロシアでは現在一般的に使われているグレゴリオ暦ではなく、暦上13日遅れるユリウス暦が採用されていたのでグレゴリオ暦で3月8日に起こったこの革命を「二月革命」といいます。
首都ペトログラード(現在のサンクトペテルブルク)で女性労働者による「パンをよこせ」というデモを発端として、「専制打倒」「戦争反対」のスローガンを掲げた男性労働者なども参加する大規模デモになりました。
直接、参政権の獲得を要求したものではありませんでしたが、他にも要因は多数あるものの女性が中心となったデモがきっかけとなり、翌週の3月15日には約300年続いたロマノフ朝ロシア帝国は歴史に幕を下ろします。そして、社会主義国家のソビエト連邦が誕生しました。
このように政治的、社会的な色の濃い『国際女性デー』ですが、女性の参政権の獲得、社会進出が進んだ現在の欧米では政治的な行事とは異なった経過をたどり現在に至っています。
初期のソビエト連邦では二月革命の記念日にもなるので政治的な意味でも特別な日でした。ソビエト連邦では女性の参政権を認めたので、この頃は主に家事労働から女性を解放するよう求めるスローガンなどが掲げられていました。
その後、1966年に国際女性デーを祝日と定めましたが、徐々に政治的な意味合いは薄れていき、女性の美しさや母性を讃える日になっていきます。現在ではソビエト連邦に属していた国々を含め、ロシアでは国際女性デーに男性から女性へ花束やプレゼントをあげて祝う習慣があります。
そしてイタリアでは国際女性デーは『女性の日』とされ、母親や妻、そして会社の同僚の女性などにも男性が日頃の感謝を込めてミモザの花を贈ります。この風習が広がり、ミモザの花が国際女性デーを象徴する花となりました。
ミモザの花と言うと日本ではピンとこないかもしれませんが、高級な蜂蜜の元になる「アカシア」と聞けばわかる人も多いと思います。蜂蜜にもなるアカシアの花は正に女性の日にぴったりの花ですね。
2017年の日本のイベント 東京
日本では国際女性デーの認知度はまだ低いようですが、3月8日には関連したイベントが各地で行われています。2017年に関してはまだ発表されていないようなので、2016年に東京で行われたイベントをご紹介します。(2017年の詳細は発表され次第、更新します)
『UN Women 日本事務所・外務省・文京区 共催 国際女性デーシンポジウム』
日時:2016年3月8日(火)18:00~19:30
場所:文京区シビックセンター小ホール(2階)
参加費:無料
定員:200名(事前申込制の先着順)
内容:2016年の“国際女性デー”のテーマに関連して、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」におけるジェンダーの視点を含め、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを加速するための議論が行われました。
※UN Womenは2011年に設立された「女性の地位向上を目的」とした国連の新しい組織です。女優のエマ・ワトソン(2014年)やアン・ハサウェイ(2016年)が親善大使に任命されています。
2017年の日本のイベント 札幌
札幌では毎年、民主商工会(民商)と北海道商工団体連合会(北商連)によりイベントが行われています。こちらも2017年についてはまだ発表されていないようなので、2016年のものをご紹介します。
『2016年 国際女性デー全道集会』
日時:2016年3月8日(火) 18:00~
場所:かでる2・7ホール(札幌市中央区北2条西7丁目)
参加費:1,000円(学生500円)※資料代
内容:弁護士、飯田美弥子さんによる「私の愛する「憲法13条」よ永遠に!~八法亭みややっこの憲法噺~」記念講演が行われました。
こちらのイベントではジェンダー平等・平和・人権を守る女性の共同だけでなく憲法や原発ゼロについても取り上げています。
まとめ
もとは女性が男性と同じように政治・社会に参加できる日を願う『国際女性デー』も現在の欧米では、女性へ感謝を伝える日となっています。将来的には日本でもバレンタインデーなどに並ぶ女性への感謝を示す日になるかもしれません。
2017年も東京や札幌などで関連したイベントが開催されますが、まずは身近なところから男女関係なく、感謝の心を大切にするよう心がける日にしてみてもいいかもしれませんね。
以上、「国際女性デーとは?ロシアやイタリアの歴史や2017年日本(東京、札幌)でのイベント情報」でした。