消費税10%いつから?延期される?軽減税率の対象品目とは?

消費税10%いつから?延期される?軽減税率の対象品目とは?

最近の国会審議で2017年4月1日に予定されている消費税の10%増税が、再び延期になりそうな雲行きになってきました。果たして消費税10%は予定通り実行されるのか考えてみたいと思います。

また、消費増税の対象から外れる軽減税率の品目についても子育て世代にとって優しい仕組みになっているのか見ていきたいと思います。

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消費税10%はいつから始まるのか?

消費税増税については遡ること2012年8月10日、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税等の一部を改正する等の法律案」が可決され、2013年10月1日に閣議決定がなされ増税が決まりました。この際に第1段階の8%は2014年4月1日で実施決定、第2段階の10%は2015年10月実施予定としつつも「経済状況などを勘案して判断する予定」としていました。

そして予定通り第1段階として2014年4月1日に5%から8%に引き上げられました。
その後2014年11月18日、安倍晋三首相は首相官邸で記者会見を行い、同月21日に衆議院を解散すると表明し、同時に2015年10月1日に予定していた10%の消費税増税を延期するとしました。その際1年半先送りして2017年4月1日とするが「次回は再延期はせず必ず実施する」と明言していました。

ところが安倍首相は3月17日の日本商工会議所の会合で、
「今年は、自民党とっても大切な年。中身については、あえて申し上げませんが、だいたい皆さまには、想像がつくのではないかと思います」
と発言しました。
この発言が意味するところは夏の参議院選挙に合わせて、衆議院も解散し、衆参ダブル選挙に踏み切るのではないかと見られているのです。そうなると目玉になるのは2017年4月の消費税10%増税の件です。2014年11月の時と同じ再延期発表がされる可能性があります。
実際2016年1月には「リーマン・ショックや大震災のような、重大な事態が発生しないかぎり確実に実施」と発言していた安倍首相ですが、2月に入ると「重大な事態とは、単に個人消費の落ち込みということのみではなくて、その背景に世界経済の大幅な収縮といったことが、実際に起こっているかどうか」とニュアンスが変わってきました。
さらに3月に入ってからは「消費税率を上げても、税収が上がらなくては、元も子もないわけでありまして・・・」と徐々に言葉の力強さがなくなってきています。
こうした発言や自民党関係者の報道機関への発言などがあり、再延期論が持ち上がってきています。果たして衆議院参議院のダブル選挙と同時に消費税増税先送りの発表はされるのでしょうか。

では、現在各政府関係者や経済の専門家はどのような考えを持っているのかまとめてみたいと思います。

【政府関係者】
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【経済学者等の専門家】
kenkai02 以上のようなことから、政治家はあくまで2017年4月に実施と言っていますが、水面下では延期の可能性を探っているとも言えると思います。

軽減税率とは?問題、対象品目は?

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今回10%の消費増税とセットで話しが進んでいるのが「軽減税率」です。
軽減税率とは、条件に応じて標準の税率よりも低く抑えられた税率のことを言います。ヨーロッパでは50年も前から取り入れられていますが色々と問題もあります。
これまでの消費税は一律で8%かかっていますので、メリットとしてはわかりやすさが上げられます。デメリットは低所得者層への負担増です。これに軽減税率を適用することで、生活必需品の税率を低くするというものです。
ただ問題は対象品目の線引きが難しいことが上げられます。例えば、外食は贅沢だから軽減税率対象外、スーパーで買い物して家で自分で作るのは必需項目のなので軽減税率対象としたとします。では、スーパーのお惣菜はどうなの?また牛丼やハンバーガーなどお持ち帰りした場合はどうなるの?などです・・・。

イギリスでは、店内で食べられる物を持ち帰りにした場合は対象外となり、スーパーのお惣菜は対象になっています。理由は温かいか冷えているかの違いです。マクドナルドなどのハンバーガーは温かくすぐ食べられますよね、だから贅沢品扱いで対象外、お惣菜は冷めているのが当たり前だから対象という考え方です。ということは、たまたまスーパーのお惣菜コーナーに行ったら、出来立てのお惣菜が運ばれてきた人が一番オトクということになります。

ドイツはもっとすごくてハンバーガーショップに行って店員から「お持ち帰りですか?店内でお召し上がりですか?」と聞かれ、「店内」だと対象外の標準税率19%、「お持ち帰り」というと軽減税率の対象になり7%です。その差はなんと12%!1000円分買うと1190円か1070円の差になります。

このように軽減税率は非常に曖昧で問題視されているのです。EUに後から加盟してきた国は、軽減税率を導入するかどうか選べるらしいのですが、ほとんどの国は導入しないそうです。おかげで今やEU加盟国で軽減税率を導入している国の割合は50%です。

他にも問題はあります。
・販売店が新しい消費税率に対応したレジなどを導入するコストがかかりすぎる
・今候補に上がっている対象品目では税収が逆に減ってしまう
などが導入反対派から指摘されています。

では今現在どのような品目が対象に上げられているのでしょうか?

2016年、平成28年度の税制改正の関連法案では、消費税の軽減税率の対象品目は「酒類」と「外食」を除いた飲食料品のほか、定期購読の契約をした週2回以上発行される新聞とすることが盛り込まれました。
対象から外れた「外食」は、「加工食品」との線引きがあいまいだという指摘が出ていましたが、「いすやテーブルなど飲食の設備がある場所でのサービスの提供」、「客が指定した場所での飲食サービスの提供」と定義して、「加工食品」と区別するとしています。

では、こんなケースはどうなのでしょう?

酒類 料理酒は? 酒税法上だとアルコール度数1度未満なら酒ではないから対象
みりんは? 酒税法上だと本みりんは酒で対象外!
ウィスキーやブランデーが入ったチョコは? 酒税法上だと酒ではないから対象
酒粕は? 酒税法上だと酒ではない対象
外食 マクドナルドでお持ち帰りした場合 店内で食べるわけではないので対象
ミニストップの店内一角に用意されたコーナーで食べた場合 本来持ち帰り用にパッケージされた物を食べるので対象
パン屋の一角に用意されたテーブルで食べた場合 トレーに乗せると店内で食べる目的となり対象外!
ピザや寿司の宅配便の場合 家で食べるので対象
移動販売車が車の周辺に机や椅子を設置した場合 判断できず
祭りなどの屋台で机や椅子がある場合 判断できず

いかがですか?これだけでもさっそく、わけがわからなくなってきていますよね?酒類については酒税法に則って線引きするかどうかも今はまだ決まっていません。本みりんが対象外10%では全国の主婦や料理人は納得出来ないですよね。
新聞にしたって紙の新聞はとっておらず、アプリで読んでいる人はどうなるのか、そもそもなぜ新聞を対象に入れたのか明確な説明がされていません。

このようにあまりメリットが感じられない軽減税率。ですが、政府は導入する方向で動いています。これまでと同じ品目で一律10%にして、後で控除で戻す、もしくは他の税金を引き下げるなどした方がわかりやすいという声が沢山あるのにです。

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消費税はいつから始まったのか?

若い世代の人達は、生まれた時から消費税は存在していたので当たり前のように感じていると思いますが、日本の消費税の歴史は世界でみたときにはまだ浅いのです。

年月 首相 政党 事象
1988年12月 竹下登 自民党 消費税法成立
1989年4月 竹下登 自民党 税率3%で消費税法を施行
1994年11月 村山富市 社会党(社民党) 消費税率を3%から4%に引き上げ、地方消費税1%を加え合計5%にする税制改革関連法が成立
1997年4月 橋本龍太郎 自民党 消費税率5%に引き上げを施行
2012年6月 野田佳彦 民主党 税率を2014年に8%、15年に10%に引き上げる法案を提出。8月10日、参院本会議で可決成立
2014年4月 安倍晋三 自民党 消費税率8%に引き上げを施行
2014年11月 安倍晋三 自民党 2015年10月に10%に引き上げる税率を2017年4月に延期すると発表

初めて消費税が導入されてから25年という歴史です。ヨーロッパが50年ですから約半分です。またこうやって見ると、消費税率を引き上げる法案を通しているのは自民党以外の党ばかりですね。逆に言うと消費税の増税を決めると自民党に政権が戻るという見方もできます。こういった点からも衆参同日選挙を明言するタイミングで2017年4月の10%は先延ばしと発表する可能性が高いともいえます。

以上、消費税増税についてみていきましたが、超高齢化社会で少子化が進んでいる日本には消費増税の導入は仕方ないと思います。ただ、このようにわかりにくい税にせず、国民から見てわかりやすい納得のいく税制度にしてほしいと思います。また政治家の議席や歳費の削減などわかりやすい節約も見せてほしいものです。

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