食中毒の症状でしびれが出た時の原因や対処、治療方法

食中毒の症状というと下痢や嘔吐などが思い浮かびますが、実は「しびれ」の症状が現れた場合にも食中毒が疑われます。しびれの症状は悪化すると麻痺や痙攣を引き起こすこともあり注意が必要です。今回は食中毒の症状のうちの「しびれ」について、原因や対処、治療方法などをご紹介します。
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食中毒になったときの症状
食中毒には、
・細菌性感染型食中毒
・細菌性毒素型食中毒
・自然毒食中毒
などの種類があります。
各型の発生原因となる菌の種類も多く、その症状は様々です。菌によって多少異なりますが、型別に主な症状をご紹介します。
■細菌性感染型食中毒
主な原因菌:サルモネラ菌・腸炎ビブリオ・病原性大腸菌など
主な症状:吐き気、腹痛、吐き気、発熱など
細菌に感染した食品を摂取することにより、体内で増殖した細菌が病原性を持ち起こる食中毒です。
■細菌性毒素型食中毒
主な原因菌:黄色ブドウ球菌・セレウス菌・ボツリヌス菌など
主な症状:下痢、嘔吐、吐き気など。ボツリヌス菌の初期症状には悪心、嘔吐、めまい、頭痛、複視、瞳孔拡大、眼瞼下垂などがあります。
食品内で細菌が産生した毒素を摂取することにより起こる食中毒です。
■自然毒食中毒
主な原因:トリカブト・毒キノコ・ジャガイモ・フグ・貝など
主な症状:嘔吐、下痢、手足のしびれ、舌先・指先・手足のしびれ、口唇麻痺など
本来動物や植物が持っている有毒成分・食物連鎖を通して動植物に取り込まれたもので、人がこれらの成分を含む動植物を食べることにより引き起こされる健康被害のことを自然毒食中毒といいます。
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しびれが出る場合の原因
しびれの症状が出る食中毒の多くは「自然毒食中毒」といわれています。原因となる食品は、
■毒キノコ
テングタケやドクササコなどの「神経系症状型」。
■貝類
ホタテガイやハマグリ、アサリなどの二枚貝に多く存在するサキシトキシン、ビニオトキシンという毒性成分が引き起こす「麻痺性貝毒」。
■ジャガイモ
ジャガイモの表皮や芽に含まれているソラニンやチャコニンは神経毒を持ち、下痢や嘔吐の他、手足のしびれを引き起こすこともあります。
■フグ
フグの卵巣や肝臓に多く含まれるテトロドキシンにより、様々な身体の部位にしびれを引き起こします。重症の場合は死に至ることもあります。
これらの成分に含まれる有毒成分をを摂取することにより、血管内の血流が滞り、中枢神経や末梢神経に障害が起きることがしびれの原因とされています。
しびれが出た場合の対処や治療方法
下痢や吐き気などの症状の場合は安静にする、水分補給などの対処方法がありますが、手足のしびれや舌のもつれ、痙攣や意識障害など、神経症状や呼吸困難などの症状が出た場合は、すぐに医師の診察を受けて下さい。
しびれは進行すると神経伝達が阻害され、呼吸筋が動かなくなる場合もあり、呼吸停止をおこしてしまうこともあります。
自身がこのような状態になってしまうと対処のしようがありません。そうなる前にすこししびれてきたな、と感じたらすぐに病院へ行くようにして下さい。
家族など周囲の人にこのような症状が現れた場合は、ただちに救急車を呼んでください。
食中毒のしびれに対する治療方法は、自然毒の場合は解毒剤は無く、水分や電解質を輸液で補給しながら、早期であれば胃洗浄、活性炭(吸着剤)の投与、催吐などの処置を行い、毒を体外に出します。
その後は症状に応じて対症療法が行われます。状態によっては人工呼吸器による呼吸管理が行われることもあります。
まとめ
食中毒の症状のうち「しびれ」に関して、原因や対処、治療方法をご紹介しました。
菌や有毒成分の摂取量にもよりますが、食中毒の症状の中でも「しびれ」は重症化すると死に至るケースもあります。
有毒成分が含まれるとされている食品を摂取する場合は、十分に注意し、症状が出た場合は自己判断はせず、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
以上、「食中毒の症状でしびれが出た時の原因や対処、治療方法」でした。