首都高料金改定 料金をシュミレーションしてみた 2016

2016年4月1日午前0時から首都高が料金改定され新しい料金体系になります。首都圏でマイカーを持ち首都高を使うというアラフォーパパ達には朗報なのでしょうか?それとも悲報なのでしょうか?
新料金はどう変わったのか、いくつかのパターンで料金シミュレーションして値上げか値下げかを見ていきたいと思います。
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2016年4月からの首都高新旧料金比較
まずは現行料金と新料金の料金体系の違いを比較してみましょう。
【現行料金】
◯6km毎の料金距離に応じて加算される料金体系
◯車種別料金が「普通車」と「大型」の2種類
車種区分 | 料金距離 | ||||
---|---|---|---|---|---|
~6.0km | 6.1km~12.0km | 12.1km~18.0km | 18.1km~24.0km | 24.1km~ | |
普通車 | 510円 | 610円 | 720円 | 820円 | 930円 |
大型車 | 1,030円 | 1,230円 | 1,440円 | 1,650円 | 1,850円 |
【新料金】
◯0.1km毎の料金距離に応じて10円単位で加算される料金体系
◯車種別料金が「軽乗用車」「普通車」「中型車」「大型車」「特大車」の5種類
車種区分 | 料金距離 | ||
---|---|---|---|
初乗り | 0.1km毎に10円加算 | 上限 | |
軽・二輪車 | 270円 | → | 1,070円 |
普通車 | 300円 | → | 1,300円 |
中型車 | 310円 | → | 1,380円 |
大型車 | 390円 | → | 2,040円 |
特大車 | 460円 | → | 2,600円 |
このように初乗り料金が下がる代わりに上限が引き上げられました。0.1km毎に10円加算ということから、例えば普通車の場合、現行の最低料金は510円なので新料金の初乗りと210円の差があります。ということは2.1kmを超えた地点から新料金の方が高くなります。
軽乗用車、二輪車の料金ができて喜んでいる皆さん!初乗り270円でも比較してみましょう。現行最低料金510円との差は240円です。ということは2.4kmを超えたら新料金の方が高くなります。残念、普通車と300mしか変わりません。
実質値上げじゃないか!とアラフォーパパは怒りそうですが、社会的にはあまり大きな批判は出ていません。マスコミも騒いでいない状態です。なぜでしょう?
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これまでの首都高料金が安すぎた!?
今回の料金改定の目的は、ズバリ「首都高の渋滞緩和」です。
首都なんだから渋滞するのは当たり前だと思っていませんか?実は首都高を利用する車の約60%が通過するために首都高を使っているというデータがあります。なので首都高内の降り口を目的地にしている車は全体の40%しかいないのです。60%は千葉から埼玉に、神奈川から千葉に、などという使い方をしています。
なぜそんなことが起こるのでしょう?理由は簡単。料金が安いからです。渋滞は嫌だけど、料金を抑えられるなら我慢して渋滞に巻き込まれようという心理が働いています。なので、どのルートを通っても料金が変わらない対策を今回の料金改定で行いました。
本当なら1992年に開通した「外環自動車道」へこういった通過車を迂回させるつもりだったのですが、510円の一律料金が足かせになり思惑通り車が流れませんでした。
(こちらが東京外環自動車道)
例えば、東名高速道路を走ってきて茨城方面の常磐道に乗ろうと思ったら、
◯首都高だけで常磐道に行く場合:東名高速料金+首都高料金+常磐道料金
◯外環自動車道に迂回して常磐道に行く場合:東名高速料金+首都高料金+外環自動車道料金(510円)+常磐道料金
というように余計にかかってしまいます。なので迂回策がうまく機能していませんでした。
また、2015年10月に埼玉県内全線開通した圏央道(首都圏中央連絡自動車道)も迂回が目的にも関わらず利用が少ないのは、同じく首都高に流れてしまっていたためです。
(こちらが圏央道)
なので、今回の首都高料金改定と同じタイミングで圏央道の料金は下がります。4月1日より圏央道の埼玉県と神奈川県にまたがる区間は1kmあたり7円の値下げとなります。これにより首都高を通るルートでも圏央道を通るルートでも料金は同じになります。
例えば、東名高速の厚木インターから常磐道の桜土浦インターまでの料金でシュミレーションすると、
旧料金 | |
首都高を経由した場合 | 3,560円 |
外環自動車道を経由した場合 | 5,590円 |
圏央道を経由した場合 | 5,210円 |
新料金 | |
首都高を経由した場合 | 3,930円 |
外環自動車道を経由した場合 | 3,930円 |
圏央道を経由した場合 | 3,930円 |
このようにどのルートを経由しても同じ料金になるように調整されました。圏央道の茨城県内区間は2016年に開通予定ですが、首都高を経由するのが距離的には一番近いとしても渋滞を考えると外環や圏央道を使った方がいいという選択肢が増えたわけです。
この他、神奈川の「横浜横須賀道路」も統一料金の改定に含まれます。
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どこからも不満はないのか?難しい料金体系
不満の声はあります。首都高を利用していた運送会社からすると実質値上げですからね。首都高の料金に周りの高速道路が合わせて値下げして同一料金になるように調整すればいいじゃないかという意見もあるようです。
そう簡単にいかないのは、首都高は交通量が多いので料金を下げても維持管理費が十分ペイできますが、地方にいけばいくほど交通量は少なくなります。また、首都高は首都高速道路株式会社が運営していますが、日本の高速道路は大きく、NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本が管理運営しています。
首都高の料金にNEXCO側が合わせるとなると、交通量の少ない地方の道路の料金も下げる必要が出てきます。そうなるとNEXCO側の維持管理費が圧迫される問題が出てきます。
こういったことから専門家の間では首都高の料金の方が安すぎたのだという意見が多く出ていました。なので、結果的に首都高側の料金を実質値上げしたという経緯です。
いかがでしたか?道路の料金体系の仕組みは難しくこれからも改善の余地はあると思います。例えば、今回の料金改定もいずれ圏央道を使う方が遠距離になるのに同じ料金というのはおかしいという声が出てくる可能性があります。
利点としては、これまでのように首都高を使って遊びに出かける時に渋滞を気にしなくてよくなるのは助かりますよね。子供と遊びに出かけ、お昼前に目的地に到着するつもりだったのが、渋滞のせいでお昼過ぎになってしまい到着したころにはクタクタ・・・、なんてことがなくなるのは嬉しいです。