保育園落ちたの意味は何をさすのか。日本死ねではなく日本死ぬ、という問題

保育園落ちたの意味は何をさすのか。日本死ねではなく日本死ぬ、という問題



連日ニュースで話題になっている「保育園落ちた 日本死ね」。このブログ記事がネット上で拡散され、ニュース番組でも取り上げられました。国会でも答弁の議題に上がりましたが、「誰が書いた、連れてこい」などとヤジが飛んだことで、この問題を軽んじたと受け取った全国の主婦達が国会議事堂前で「書いたのは私だ」などが書かれたプラカードを掲げ、デモが発生する事態にまで発展しています。

日本中の子を持つ親達の代弁とも取れるこの一文、この「保育園落ちた 日本死ね」に含まれる意味や今の日本の現状を紐解いてみたいと思います。

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保育園落ちた、日本死ねの本音・本質

「一億総活躍社会じゃねーのかよ。昨日見事に保育園落ちたわ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。」とは今回のブログ記事の一部です。『1億総活躍社会』は確かにアベノミクス第2ステージで掲げられてた新3本の矢のひとつです。

アベノミクス第1ステージはそれまでボロボロだった民主党から政権を脱却して、再び国民に期待を持たれたことは確かです。ですが、国民のほとんどは自分達とあまり関係ない株価だけが上昇し、賃金が上がったわけでもないのに消費増税だけがされた、と考えているのではないでしょうか。

そんな中、2015年10月に安倍首相が発表したのがこの『1億総活躍社会』です。1億総活躍社会とは、新3本の矢を軸に「経済成長」「子育て支援」「安定した社会保障」の実現を目指すというものです。言っていることとやっていることが違うのではないか、という気持ちがこの「保育園落ちた、日本死ね」のブログ記事の中に含まれています。

「どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ。ふざけんな日本。保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ。保育園も増やせないし児童手当も数千円しか払えないけど少子化なんとかしたいんだよねーってそんなムシのいい話あるかよボケ。」
こちらもブログの中の一文ですが、日本には保育園も増やせない、児童手当も増やせない本音(裏事情)があり、この本質部分がどうにかならない限り解決しない問題です。

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保育園を増やせない、児童手当も増やせない理由

保育園を増やせないのには、国や自治体などの行政要因と場所などの環境要因があります。
【行政要因】
①保育士の給料は月給20万円くらいで、他の業種にくらべ10万円ほど低いのが現状です。これでは保育士になりたくても生活ができないので保育士の数は増えません。保育士を確保しないと保育園は開園できないので、結果的に数が増えないというのが現状です。
では、保育士の給料を上げればいいじゃないかという話しなのですが、全国に35万〜40万人いると言われる保育士に月10万円給料をあげると毎月最低3500億円必要になります。税金の負担なしでこの金額を確保するために利用者の料金を上げるのかという問題が浮上してきます。
では、国は予算を保育士の給料に回せないのか、というとそうでもありません。

②政治家は人口の多い高齢者に気を使う必要があります。そう、票の確保のために。その証拠と言われているのが2016年1月4日に発表された「年金生活者等支援臨時福祉給付金」です。この制度は低所得年金受給者に対して3万円支給するというもの。このために割かれた国家予算は3600億円ほど。そして代わりに廃止される制度が「子育て世帯臨時特例給付金」です。この制度は高所得者を除く中学生までの子供1人に対して3,000円支給するというものですが、これが2016年4月から廃止されます。つまり子育て世帯臨時特例給付金で使っていたお金を年金生活者等支援臨時福祉給付金に付け替えるとも取れる決定でした。
そして国だけでなく、各自治体が保育園を増やす阻害要因になっています。

③認定の保育園は自治体が関与しています。税金が投入されるので致し方ないのですが、阻害要因となっているのはまず自由に場所を選ぶことができません。エリア毎に自治体が計画しているのでその計画とかぶった場所で保育園や保育所を開くことができないのです。
そして自治体によって様々な細かいルールがあり、例えば園長は保育士としての経験が継続して◯年以上などと定められていた場合、途中で数ヶ月保育士から離れていただけで基準を満たしていないことになってしまいます。
また、保育園や保育所を増やすことに対する目標や未達成時のペナルティはないのに対して、運営中の保育園、保育所で事故や問題が起きると自治体の責任が問われるため、結果的に開園に対して厳しくなりがちというのが実態です。

【環境要因】
①世の中の人、全てが子供好きというわけではありません。中には子供嫌いで結婚しても子供を作らないという人も存在します。もし、保育園や保育所を作ろうと計画した場所の隣にこういった人が住んでいる場合、反対にあう可能性があります。子供が大声で園庭を元気に走り回る姿は、子育て世代の人からしたら微笑ましい光景ですが、子供嫌いの人からしたら騒音にしか聞こえないのです。
なので設営時は近隣からクレームがこない場所を選ぶ必要があります。

②さらに建物にも厳しい基準があり、新耐震基準を満たしているか、出入り口は2箇所以上確保されているかなどをクリアしなければいけません。

③加えて駅から遠すぎると、利用する親から「不便」と言われてしまいます。

以上のような要因から保育園は簡単に増やせないのが現状です。ただし、国家予算については国民がもっと関心を持って、政治家に自分達の票の確保のための制度作りをやめさせることができれば変わっていくことです。

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このままでは日本死ね、ではなく日本死ぬ、になる

「国が子供産ませないでどうすんだよ。金があれば子供産むってやつがゴマンといるんだから取り敢えず金出すか子供にかかる費用全てを無償にしろよ。」これも今回のブログの一文ですが、乱暴な言葉使いではあるものの日本の将来を暗示させるような一文だと感じてしまいます。

「経済成長」「子育て支援」「安定した社会保障」を『1億総活躍社会』と言っても優先順位があり、政府は3つとも同じ優先順位だと言うと思いますが、実態は、「経済成長」→「安定した社会保障(高齢者向け)」→「子育て支援」となっていると言われても仕方ありません。
経済成長が最初にくるのはわかります。何をするにもお金がかかるわけですから、経済成長で入ってくるお金が増えた方がいいです。ですが、ほぼ高齢者向けの安定した社会保障と子育て支援は同レベルのバランスにするべきだと思います。結果的にそれで人口が多い高齢者にしわ寄せが行ったとしてもです。でないと日本は人口がどんどん減って、国として力が弱くなってしまいます。

あと35年後には確実に日本の人口は1億人を切ります。そして働く世代が10%減って、高齢者が10%増えます。1億人を維持すると安倍首相は言いますが、移民でも受け入れて、税金を徴収し、選挙権を与え人口を確保するということでしょうか?
もしかしたら、口先では子育て支援や少子化問題と言っていますが、今2番目に人口が多いアラフォー世代が40年〜50年後にはいなくなり、高齢者への社会保障負担が減るのを待っているのかもしれません。一部では今の日本の国土では6000万人くらいが人口適正値と言われているので、このまま減り続ければ70年後くらいには6000万人台になる計算です。アラフォー世代のひ孫の世代になる頃に安定してくるということになります。

ですが国が抱えている国民への借金問題まで含めると、こんな簡単なことではなく国レベルで切り詰めてやりくりしていても数年前のギリシャのような状態になってしまうかもしれません。
そうなったら、「日本死ね」どころではなく「日本死ぬ」状態に陥ります。

私達は日本人として生まれ育ってきた以上、子供や孫にツケをまわすようなことをせず今できることを最大限するべきと考えてしまいます。
今回の「保育園落ちた 日本死ね」には、こういった現実が表された一言なのだと思います。

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