スーパー耐性菌とは?症状は?予防策はあるの?

スーパー耐性菌とは?症状は?予防策はあるの?

8月のオリンピックの舞台となるブラジルのリオデジャネイロの海岸で、「スーパー耐性菌」という得体の知れない菌が検出されたそうです。世の中に存在するどんな薬であっても効かないとされているスーパー耐性菌とは、どういうものなのか?また、感染したときの症状や、予防策はないのかなど調べてみました。

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スーパー耐性菌とは?

スーパー耐性菌とは、世の中のあらゆる薬(抗生物質)に対して薬剤耐性を持つ菌のこと。つまり薬が効かない菌のことです。
薬が効かないので免疫抵抗力の低下した人がスーパー耐性菌に感染すると、死に至る場合もあります。医療施設など免疫抵抗力の低い患者が集中しているところで集団感染が起こるリスクもあります。

これまで確認されているものとして、抗菌薬の一種である「メチシリン」という薬に耐性のある黄色ブドウ球菌が有名で、これに対して今度は「バンコマイシン」という薬として使われました。
しかし、今度は「バンコマイシン」にも耐性を獲得した菌が現れ、それらの菌には「ニューキノロン」が使用されています。正に菌が進化していっているのがわかりますね。そして、このニューキノロンにも耐性して、どの抗菌薬も効かないのが「スーパー耐性菌」です。

名前の付いているスーパー耐性菌としては、

・アシネトバクター
・緑膿菌
・クレブシエラ

という菌が見つかっています。

スーパー耐性菌に感染した場合の症状

これらスーパー耐性菌に感染した場合、どのような症状になるのでしょうか?基本的に正常な人で、普通の生活を送っている場合は感染することはまずないようです。

感染してしまう可能性があるのは、

・免疫力の低下した人
・外科手術後の人
・抗生剤を長く使っている人

などの場合です。

症状は、肺炎、尿路感染症、手術した場所の感染症などで、具体的には発熱や下痢などを引き起こすことがあります。入院中のお年寄りで手術後、免疫力が低下している場合などは、さらに重い症状が出る場合もあるようで、最悪の場合、死に至ることもあります。

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スーパー耐性菌に感染しない予防策

では、このスーパー耐性菌に感染しないための予防策はないのでしょうか?感染しやすい状況は上記の通りなので、まず免疫力を低下させないようにすることが予防になります。
風邪の予防同様、手洗いやうがいをこまめに行い菌に感染しないようにしましょう。

また抗生物質はなるべく摂取しないよう心がけましょう。近年、特にインドでは即効性のある抗生物質の処方が乱用されているそうで、抗生物質によって免疫力が低下してしまい、スーパー耐性菌に感染してしまうケースが増えているそうです。
すぐに効くからといって抗生物質ばかり使っていると、このようなリスクがあります。

今回リオデジャネイロで見つかったスーパー耐性菌は「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)」と呼ばれるものです。ブラジルの研究者ナータ・ピカオ氏が率いるチームの調べた結果、セーリング競技の会場となるグアナバラ湾に面したビーチでも検出されました。
このカルバペネム耐性腸内細菌科細菌がどのような影響を及ぼすかはこれから研究するとのことで、もしオリンピック選手になりかあったら大変ですよね。
早く解決されることを願います。

以上、「スーパー耐性菌とは?症状は?予防策はあるの?」でした。